商標
事業活動において、ご使用されているマークはもの言わぬ営業マンです。
はじめに、商標とは事業者が自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。
上記機能に不随して商品・サービスマークに付されることにより 事業者の方々の代わりに自己の事業における商品・サービス、店舗、会社を宣伝してくれる機能もあります。
さらに、その商品を買ったあるいはサービスを受けたお客様 は 「あのマークが付いた商品やサービスであればきっと次回も同じ良い商品やサービスを提供してくれるに違いない。」と思わせる効果もあります。
このようにして、お客様は繰り返し購入あるいはサービスの提供を受けることによりマークに対する認知が増し、信用が大きくなっていきます。
一方で、このようにして信用が大きくなった他人の営業マン(マーク)を利用して、本来得るはずの他の事業者の利益を得ようとする者がいる社会があるのも事実です。
これを放置すれば事業者の方はもとより、事業者の方のもとにいる従業員の方々、ひいてはそのご家族の生活にも悪い影響を与えてしまいます。
このような状況は法が許容するものではありませんが、商標登録を受けなければ基本的に法の助力を受けることができません。
つまり泣き寝入りになりかねません。
であれば、事業活動でマークの使用を準備検討されたときにはそのマークについて使用のお墨付きを戴くべきだと私は思います。
商標登録費用は安くはありませんが、営業マン一人を5年または10年お雇いになることを思えば費用は決して高いものではないと私は考えています。
弁理士に商標調査依頼するメリット
商標登録出願をするにあたって、商標調査はしなくてはなりません。
商標調査とは例えば先行して出願されている商標、登録されている登録商標等に対して出願をする商標が権利化できるものであるか調査検討するものです。
これらの調査をせずに出願をすれば、先行されて登録されている他人の登録商標を理由に登録ができず出願費用が無駄となることもあります。
また使用する商品・サービスについてどの範囲で権利化を図れば良いかも調査検討しなければなりません。
弁理士に商標調査を依頼すると例えば以下のメリットが得られます。
1. 使用状況から商標登録出願をして権利化をするべきか否かを判断してくれる。
2. 権利化について緊急性を要する場合に、「早期審査制度」の活用が可能か否かを アドバイスをしてくれる。
3. 事業内容から登録するべき区分・類似群コードのアドバイスをしてもらえる。
4. 先行して登録されている類似商標の有無を教えてくれる。
5. 商標登録の可能性の可否を判断してくれる。
商標の種類
商標と言っても、出願して権利化できるものは以下に示すように各種色々あります。
- 文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合からなる商標
- 従来よりあった商標。 (例えば、色彩のついた文字など)
- 標準文字による商標
- 特許庁長官の指定する文字のみによって商標登録を受ける場合。
- 動き商標
- 文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標 (例えば、テレビやコンピューター画面等に映し出される変化する文字や図形など)
- ホログラム商標
- 文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標
(見る角度によって変化して見える文字や図形など)。 - 色彩のみからなる商標
- 単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標 (これまでの図形等と色彩が結合したものではない商標) (例えば、商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩など)
- 位置商標
- 文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標
- 音商標
- 音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標(例えば、CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など)
団体商標及び地域団体商標
団体商標登録制度とは、事業者を構成員に有する団体が、その構成員に使用させるための商標について登録を受けることができる制度です。
通常の商標登録制度のように登録を受ける者自身がその商標を使用することは必ずしも必要としません。 ※通常の商標登録制度では基本的に権利者が3年使用の事実が無ければ特許庁の審判により登録が取り消されます。
この制度は、例えば、地域おこしや特定の業界の活性化のために、団体が中心となって、独自ブランドによる特産品作りをするような場合に利用できる登録制度です。